2014-12-07

Procol Harum / Shine On Brightly


マシュー・フィッシャー在籍時のプロコル・ハルムはどれもいいんだけれど。曲だと "Homburg" が一番好きで、アルバム単位でいくとセカンド「Shine On Brightly」(1968年)かな。

冒頭の "Quite Rightly So" からして太いメロディで、堂々とした風格を感じさせます。演奏の主役はオルガンとドラムなんだけれど、ちょっとしたピアノのフレーズも効いている。
そして、続くタイトルトラック "Shine On Brightly" がとてもいい。イントロのフレーズは単純極まりない、けれどある種のエネルギーを放射しているような鮮やかさ。米盤ジャケットデザインを思わせるイマジネイティヴなサウンドで、メロディもキャッチーだし、これが個人的にはベスト。
このアタマ二曲が抜きん出ていいのだけれど、他のものも渋めの佳曲が揃っている。サイケデリックの要素がサウンドにカラフルさを付け加えていて、それといかにも英国らしいメランコリックな味わいが組み合わさることで、独特の浮遊感が生まれているように思うな。

そして、アルバム後半には組曲 "In Held 'Twas In I" があって。単体ではいまひとつものにならない曲をまとめた、という面はありますし、個人的にも大げさなアレンジは苦手です。にもかかわらず、それが聴けるものとして構成されているのはグリン・ジョンズの貢献もありますが、メンバーそれぞれのプレイヤーとしての力量によるところが大きいかと。特にB・J・ウィルソンというドラマー、そのプレイはパワフルでありながら繊細。曲調に合わせさまざまな表情を見せてくれます。
小パートとしても "'Twas Teatime at the Circus" からは、ちょっとスモール・フェイシズの「Ogden's Nut Gone Flake」に似たようなユーモアを感じます。また、マシュー・フィッシャーが唯一作曲し、ボーカルも取った "In the Autumn of My Madness" は組曲全体の重いサウンドの流れの中でうまく作用しているようだ。

R&Bとクラシック音楽、さらにはサイケデリックという要素が並列されるのではなく、有機的に絡み合っているというのは、ちょっとない個性ではないかしら。この時代にしか起き得なかった化学反応、なんてことを考えてしまいました。

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