2015-11-14

Van Morrison / Astral Weeks


ヴァン・モリソンの初期のソロ・アルバムから2作がリイシューされました。「Astral Weeks」(1968年)と「His Band And The Street Choir」(1970年)で、それぞれ未発表のものがボーナス・トラックとして追加されています。

パッケージは紙ケースというかデジスリーヴなんですが、随分と落ち着いた色合い。
マスタリングのほうは音圧控えめであって、鮮烈さはないけれど、アナログ的というか。心地よくてずっと聴いていられる。試しに「Astral Weeks」を日本独自でリマスターしたものと聴き比べてみたところクリアさではいい勝負、けれど、奥行きや楽器の自然なバランスは新しいやつのほうに分がありますね。


「Astral Weeks」はジャズ畑のミュージシャンを従え、基本的な部分はわずか二日のセッションで録音されました。
ライナーノーツを読むと、あまり打ち合わせをせず、ただ曲を教えて、それをプレイしたという感じであったそう。ベースのリチャード・デイヴィスはセッション・リーダーの役割を果たしていたようなのだけど、モリソンとは一言も喋った覚えがないという。
その演奏はアコースティックなものであり、グルーヴだけ見ればガタガタなのですが、その分自由度が高く、モリソンの歌声も無理がなくて伸びやか。R&Bの要素がほとんど見られず、かといって決してジャズでもフォークでもないという特異な作品です。
何より、この暖かで美しい感触や響きはちょっと他では得難い魅力じゃないかな。

今回のボーナストラックでは、"Beside You" のファースト・テイクが繊細で印象的ですね。また、ストリングスがオーバーダブされていない "Madame George" も味わい深くて、なかなか。

0 件のコメント:

コメントを投稿